もともとseesaaブログで始めた「怖い本」ですが、独自ドメイン「http://scarybookplus.com/」に移行しました。最近、スマホの広告がウザいとの共同制作者の移行でこのサイトの更新はストップしていますので、ぜひ本サイトへ遊びに来てください。こちらで更新していた内容も本サイトで更新予定です。

2016年12月26日

ブラジルから来た少年(アイラ・レヴィン/ハヤカワ文庫)



・古典的SFサスペンスとして楽しむ一冊

・いわゆるナチスもの

・少しだけグロテスク描写もあり

おススメ度:★★☆☆☆


発表された1976年当時では、この小説のメインテーマは一般的に余り知られていない科学技術だったと思われる。詳しく触れると著しく興を削いでしまうが、現在でも賛否両論あるネタである(本の商品紹介ではネタバレしているが…)。アウシュビッツで人体実験を行った「死の天使」メンゲレが登場する、いわゆる「ナチスもの」小説。

そんな理由で発表から40年経った2016年現在では「驚き」という点では弱くなっているが、全体的に骨太のプロットで、奇をてらわない展開なので安心して読める。特に、ラストシーンは、緊張感のある展開が楽しめるが、すこしグロテスクでもある。

ちなみに著者の作品では「ローズマリーの赤ちゃん」の方が遙かに有名と思われる。なんとなく興味がわいて手に取ってみたが、余り細かいことは考えずに楽しむのが良いかと思う。







posted by 北川商店 at 10:52| Comment(0) | ★★☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月25日

バトルロワイヤル(高見広春/幻冬舎)



・当時斬新だった「中学生同士の殺し合い」がテーマ

・キャラが類型的で単調な展開

・ごく普通の娯楽小説

おススメ度:★★☆☆☆


出版当時は国会で話題に上がったという問題作……のはずだが、中身はごくごく普通の娯楽作品だ。「中学生同士の殺し合い」という設定以外は、多くのキャラクターが互いにバトルを繰り広げて勝ち残り戦を展開するという一つの定型に乗っ取って書かれてる。

本題からそれるが、この本が「有害図書(変なレッテルだが)」とは思えない。なぜなら、最初から「この物語の設定はあくまでジョークですよ」と作者が冒頭で声高に述べているからだ。物語の前の引用が「金八先生」で、悪役の名前も「金持」となっている。危ない本も確かにあるが、この程度の本を読んで犯罪が起きるなら、日本は犯罪大国になっていたと思う。

内容は、全員の死に様をひたすら書き続けるというスタイル。手法的には疑問もあるが、ある種の迫力になっているのも事実。ただ、類型的なキャラが次々登場する展開に途中で厭きる。部分部分はそこそこ楽しめるので、上手く編集すればもっと良くなるとも思う。

そこそこ楽しめる娯楽作品で、それ以上でもそれ以下でもない。「プレイヤー同士の殺し合い」では貴志祐介の「クリムゾンの迷宮」の方が好みだ。





posted by 北川商店 at 12:13| Comment(0) | ★★☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月24日

死の泉(皆川博子/早川書房)



・ナチスドイツ、去勢といった興味深いテーマ

・描写が中途半端で、テーマのピントはボケたまま

・感情移入できない登場人物の変態性

おススメ度:★☆☆☆☆

本作の題材は非常に興味深く、ナチスドイツの人体実験、カストラート(去勢)と、危ない予感を感じる要素が満載だが、期待外れの内容だった。上記テーマの描写が実に中途半端だ。こういった小説の場合リアリティが重要なので、核心部分には目を背けたくなるような描写(倫理的に正しいかどうかは別として)がないと、ホラー小説として重みがない。ところが、描写が妙に幻想的というかフワフワしていて、肝心の部分の描写が淡白すぎてガッカリする。

その代わりに、変態(?)ドクターやその妻の心理描写にページが厚く割かれているが、これが全然面白くない。変態すぎて感情移入できないので、読み進むのがかなり苦痛だ。それでも描写が丁寧な1部はいいとして、2部、3部と物語の視点が目まぐるしく変わり、読書の辛さは倍増する。さらに超がつくほどのご都合主義的展開も相まって、ラストは良く分からないまま終わる。

残念ながら常にピントがぼやけた感じが最後まで続く、これがこの作品の印象だった。また、男性の同性愛志向があるのも、好みが分かれるところ。読後の虚脱感は保障できるが……。



 


死の泉 [ 皆川博子 ]

 


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posted by 北川商店 at 12:56| Comment(0) | ★☆☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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