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2016年12月20日

肉食屋敷(小林泰三/角川書店)



・生粋のホラー短編集

・怪獣・ゾンビ・恋愛・サスペンスなど多彩な要素

・要グロ表現耐性

おススメ度:★★★☆☆


本作は「玩具修理者」などで著名な小林泰三氏による4篇を収録した短編集。簡単に分類すると(1)怪獣系ホラー、(2)ゾンビをテーマにしたシュール・グロテスクなSF、(3)サイコなラブストーリー、(4)本格多重人格サスペンス、となっている。

共通するのは、腐臭を放つ肉塊のようなおぞましく、同時に奇妙に心地よい読書感がある。(3)を除けば、大なり小なりグロテスクな描写があり、変態的ともいえるテーマが語られる。たぶん、おぞましいものを「茶目っ気」たっぷりに書いているからではないだろうか。その辺の楽しんでいる感覚が、生粋のホラー作家だと思わされる。

(1)、(2)はグロテスクで、しかも余りにも着想やオチが異常で、好みが分かるだろう。個人的に(2)はちょっと苦手だ。一方(3)や(4)は上質サスペンスとして楽しめる。若干、物語に深みが足りない気もするが、他の作品も読んでみたいと思う。面白いが、要グロ表現耐性といったところ。




 


肉食屋敷【電子書籍】[ 小林 泰三 ]

 






posted by 北川商店 at 08:21| Comment(0) | ★★★☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月19日

魔法の水(編集・村上龍/角川書店)



・作家人が非常に豪華

・ホラーと言えない短編もあり

・編集者である村上龍氏の短編は強烈

おススメ度:★★★☆☆


本作は、村上龍の編集によって別々の作者による短編が9つ収められている。作家陣が豪華で、編集者自身をはじめ、村上春樹、山田詠美、椎名誠、原田宗徳、景山民夫、森瑤子、連城三紀彦、吉本ばななという錚々たる顔ぶれ。ただし、書下ろしは景山民夫のみで、他の作家はすでに発表済みの短編から集められている。

この一冊は短編ホラー集とは銘打ってるが、非常にホラーの捉え方が多彩、あるいは曖昧だ。私の基準でホラーだと思えるのは、一風変わった学校の怪談を語る「鏡/村上春樹」、物に憑いた怨念が引き起こす悲劇「植えたナイフ/原田宗徳」、霊視者の困惑をややコミカルに描写する「葬式/景山民夫」ぐらいだ。一方、サスペンス的な要素が濃いのは、官能的な雰囲気で記憶喪失の謎が語られる「ひと夏の肌/連城三紀彦」、エレベーターでの密室劇「箱の中/椎名誠」、過激なSM倶楽部の恐怖を描く「ペンライト/村上龍」です。

残り3名は女性作家ですが、「桔梗/山田詠美」は大人社会の恋愛模様を哀しみを持って見つめた内容で、「海豚/森瑤子」はイルカを食べたことに対する罪悪感の記憶、「らせん/吉本ばなな」に至っては、完全にいつものばなな節の恋愛小説だ。

「ペンライト」などは、村上氏の作風である非常に不快&えげつない表現が特徴だが、全体的にそれほど怖くはない。それぞれの作家は一時代を築いた方ばかりなので、決して途中で投げ出すほど退屈ではないが、かといってそれぞれの作家の最高の作品と言うわけではなく「ホラー入門」と言った位置づけではないだろうか。

こういったバラエティ豊かな短編集を読むと「恐怖とは何か」を考えさせられる。やはり根本は死の恐怖だと思うが、人間が不快に感じることは、悉く死につながっていて、その度合いが強いほど恐怖心という危機回避本能が働くのではないだろうか。そういう意味では、どんなシーンでもホラー要素はあるとも思う。

余談だが、意外と恐ろしい恐怖が「退屈」だと思う。誰にも相手をされず、自分でやりたいことも、興味も無い。これは死そのもの……そういう「恐怖的」小説にも出会わないことを願いたい。





ラベル:村上龍 短編集
posted by 北川商店 at 11:34| Comment(0) | ★★★☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月18日

Twitterはじめました

Twitterはじめました.PNG

タイトル通りTwitterはじめました。

主に更新情報をツイートする予定です。

それだけでは面白くないので「こわいひとこと」も呟いてみます。

ご興味のある方はフォローしていただければ幸いです。


※文字だけだと味気ないので絵も少し...



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