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2017年01月28日

覘き小平次 (京極夏彦/角川文庫) 〜あらすじとおススメ度、ネタバレなし



・「嗤う伊右衛門」に続く古典怪談の京極風リメイク

・インパクトはないが、ダメな主人公を魅力たっぷりに描く

・残酷描写は軽めで読みやすい

おススメ度:★★★☆☆



四谷怪談を再構築した「嗤う伊右衛門」に続いて、古典を京極風にリメイクしたシリーズの第2弾。今回の原典は山東京伝の「復讐奇談安積沼(Wikipedia)」とのことだが、四谷怪談ほどメジャーではなく、私も含めほとんどの読者は京極夏彦のオリジナル作品として読める。

内容は妖怪大好き・残酷物語が大好きな京極氏ならではの一風変わった時代劇で、人間の心の暗部を描き、それに妖怪要素を持ってくると言う異色な作風だ。あらすじは、押入れ棚に引きこもる売れない役者の小平次は、妻に罵られながらもその生活から抜け出せないが、そこへ幽霊役の仕事が舞い込んでくる。ただ、それには裏があった……というもの。

作者は「世界からはみ出した者」に対して愛情を注いでいるようで、今作品の主人公である小平次も、京極堂シリーズの関口のような「発狂寸前の落伍者だけど、他人には無い存在感のあるキャラ」として描かれてる。京極夏彦の作品の魅力は、多分この異質な者に対するねじくれたある種の愛情にあると思う。人が誰でも持っている疎外感や孤独感。それに対して、明るく楽しい、爽やかで正しい物語は無力な場合もある。混沌とした暗さの中から生まれるものもあると、読後に感じた。。

怪談としては残酷描写も軽めで、どちらかと言うと「ぞくり」と来る怖さを追求してる。怖さと言う点ではイマイチだが、一筋縄ではいかない、不思議な読後感がある。「自分は世間から受け入れていない」と、どこかで思っている方なら、むしろ癒されるのではないだろうか。





覘き小平次 [ 京極夏彦 ]






ラベル:京極夏彦 怪談
posted by 北川商店 at 09:00| ★★★☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月27日

向日葵の咲かない夏(道尾秀介/新潮文庫) あらすじとおススメ度、ネタバレなし



・同級生の死の謎をめぐる小学生が主役のミステリ

・一人称視点で平易な文章

・「予備知識なし」で読む系

おススメ度:★★★☆☆


あらすじは、それほど複雑ではない。夏休み前に友達の家に届け物をしたら、その友達が死んでいた。しかし、死体は消え、その友達があるものに姿を変えて主人公と「自らの死」の謎を探るというもの。このお話の中心はこの友達が「何になった」で、これがミステリとして考えると非常に混乱する。

古い本なので、ネット上にはあらすじやネタバレを含む情報が氾濫しているが、もし前述のあらすじに少しでも興味があれば、何も事前情報を得ずに読み始めた方がいいだろう。ホラー要素は低めだが、作者が何を仕掛けて来ているのかを推理しながら読むのは楽しい。

文章自体は平易な一人称で、セリフは少々軽く感じるが、読みにくさはない。主人公が小学生なので、その視点での描写としては適切だろう。それほど血なまぐさくはないが、時々精神的に「来る」描写を挟んでくるので、苦手な方は注意が必要だ。

読後感は少々後味の悪さがある。ただ、個人的にはよくできた仕掛けだと思う。いわゆる「アレ」だが、もう一度読み返してみたくなるような描写が多い。

後に残るような重さやテーマ性はないが、ホラー要素を楽しみつつ、愉快に騙されてみてはどうだろうか。





向日葵の咲かない夏 [ 道尾秀介 ]





posted by 北川商店 at 11:58| ★★★☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月26日

風呂場で電子書籍リーダーは読めるのか〜KoboAuraH2Oを使った感想・評価



・防水は完璧だが風呂場では非常に難しい

・理由は濡れると操作できないため

・「水辺での読書」には最適だ


おススメ度:★★★☆☆

風呂場で本を読むというのは、本好き&風呂好きであれば一度は夢見るシチュエーションだ。

しかし、紙の本を持って入るとガビガビになってしまうし、防水スマホでは画面が小さい。防水タブレットは大きすぎるし高い。

そもそも、私は圧倒的に電子書籍リーダー(電子インク)が好きだ。素晴らしい可読性とニッチな可用性は、タブレットなどでは代用できないと思っている。

そこで、電子書籍リーダー&風呂という願望になるのだが、これを満たす機種は今のところたった一つだ。

Kobo Aura H2Oである。

kobo02.jpg

実は、もうかなり前に買っているのだが、使ってみた感想は表題通りだ。

電子書籍リーダーとしての性能を簡単に書いてみると、

・防水:IP67 規格準拠
(水深 1 mで最大 30 分の使用が可能)
・画面サイズ:6.8 インチの Carta E Ink HD タッチスクリーン
・解像度:1430 x 1080(265 ppi)
・メモリーカード:使用可能(microSDHC/max32 GB)
・サイズ:129mm X 179 mm
・重さ:約233g
・バッテリー:約 7 週間
・価格:18,500円(税抜)

注目はサイズと重さで、現在のKindle Paper Whiteと比べると

kobo01.jpg

横幅12mm、縦幅10mm、厚みで8mm大きく、重さで28g重い。

わずかな差だが、実際に持ってみると思った以上に大きく感じる。個人差にもよると思うが、片手読書がしにくい。

もちろんメリットもあって、解像度も十分なのでコミック中心であれば、大きな画面は有利だし、メモリーカードを使えるのも大きいアドバンテージだと思う。

ページめくりやストアの使い心地などは、Kindleと比べても、電子書籍リーダーとしてはごく普通に使えるレベルなので、余りに気にしなくて良いと思う。画面の端をスライドすると明るさを変えられる機能は便利だ。

しかし、である。肝心の防水性能だが、仕様通り「水深 1 mで最大 30 分の使用」であるので、風呂に沈めても壊れたりはしない。ただ……

ページめくりがすぐにできなくなる

と、いう致命的な弱点がある。画面がタッチスクリーンなので、仕方ないといえば仕方ないが、水に濡れるとすぐに次のような画面の表示が出る。

kobo03.jpg

もちろん、指示通り拭き取れば使えるようになるのだが、指を水につけてタッチすると、また同じ表示が出る。それを拭き取っても、シャワーの水滴がかかるとまた同じ表示が……。

つまり、防水ではあるが、本を読もうとすると水に濡らさないように注意して使わないといけない。これこそ本末転倒の極みではないか。実際には、手を濡らさないように静かにお風呂に入って注意すれば読書はできるが……。

と、まあ「悪口」を書いてしまったが、実はこの仕様にぴったりの使い方ができる場所がある。それは、

プールサイドや浜辺

に他ならない。もっと言えば「子供の希望でプールや海に連れて来たが、泳ぐのに飽きてきた。また泳ぐかもしれないが、暇つぶしに読書でもしたいとき」に最適だ。つまり、

基本的には水にはつけないが、水に濡れる可能性が十分にある場所

での、読書に最適なのである。子供を持つとわかるが、プールでずっと一緒に泳ぎ続けるのはつらい。かといってプールサイドでぼうっとしているのも芸がない。盗撮を疑われるので、スマホはあまり使いたくない。その時こそ、このKobo Aura H2Oをさっと取り出して、読書を行えばいいのである。

この人と違う行動をとれる優越感は何物にも代えがたいものがある。

致命的な弱点はあるが、唯一の防水機能付きのこの「Kobo Aura H2O」、電子書籍リーダー好きなら一台は所有しておいてもいい一台だと思っている。


電子書籍リーダーKobo Aura H2O






posted by 北川商店 at 08:00| 電子書籍リーダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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