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2017年02月09日

ジェノサイド(高野和明/角川文庫)



・傭兵と薬学の大学院生が同じ真相に導かれるサスペンス

・興味深い設定と読みやすい文章

・オチが人によっては評価が割れる。私はだめだった

おススメ度:★★☆☆☆


以前、★5つで紹介した「13階段」というサスペンス小説の作者、高野和明氏の作品として、かなり期待をして読んだのだが、個人的には大変失望した。

あらすじは、アメリカ人の傭兵「イエーガー」と、薬理学を学ぶ大学院生「古賀研人」が同じ「謎の真相」に導かれるというもの。イエーガーはあるウイルスに感染した地域(ジャングル)の調査、大学院生は死んだ父の残した遺言から高たな新薬を作ろうとする……というもの。

物語のポイントは「この二人がどういった理由で、何を目的に活躍するのか」という点と、物語の真相は何かということだ。二人の実際の活動の裏にはもちろん物語的真相が隠されている。その辺が読書を続けるモチベーションとなるだろう。さらに、Amazonなどでも見られる本の紹介を引用すると「合衆国大統領が発動させた機密作戦の行方は―人類の未来を賭けた戦いを、緻密なリアリティと圧倒的なスケールで描き切り、その衝撃的なストーリーで出版界を震撼させた超弩級エンタテインメント」とある。新作アクション映画のキャッチコピーじゃあるまいし、これは煽り過ぎだ。

不満なのは「物語の真相があまり面白くない」ことと上記にある「綿密なリアリティ」をあまり感じなかった点だ。設定は面白い、文章も読みやすいのだが、ラストに至って、一種の「置いてけぼり感」を味わった。ここをネタバレするとこの本を読む価値が無くなるので書かないが、過度な期待は禁物、というところだ。

と、いう話を同じくこの本を読んだ友人にすると「最高に面白かった」とのことだ。人によっては本当に「超弩級エンタテインメント」になるのかも知れないので、よければご自身でご確認を。ちなみに新書では560ページに及び大長編なので、読むときはそれなりの覚悟が必要だ。







ジェノサイド(上) [ 高野和明 ]















posted by 北川商店 at 08:59| ★★☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする