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2017年02月10日

TENGU (祥伝社文/柴田 哲孝) 〜あらすじ・レビュー



・「天狗」をテーマにした大真面目なサスペンス・推理系小説

・超常現象には極力頼らず、合理的結論が用意されている

・社会情勢などの時事ネタ要素もあり。文章は読みやすい

おススメ度:★★★☆☆


インパクト抜群のタイトル「TENUGU」、そうこの小説は天狗がテーマだ。「長編推理小説(と紹介には書かれている)」が、いわゆるUMA(未確認動物)を扱ったサスペンス小説だと思う。決しておふざけでもなく、心霊や超常現象に逃げることのない「論理的な解決(一応)」が図られる点が評価できる。

あらすじは、本の裏かAmazonの紹介文を見ると分かるが「道平という記者が26年前の凄惨な他殺体の写真を発見する。物証である犯人の体毛も入手し、DNA鑑定を行なうと意外な結果がでる……。過去の寒村を起きた連続殺人事件の真相はいかに? それは本当に<天狗>の仕業だったのか」というもの。

導入はかなり惨いシーンから始まるが、全体的にそれほど残虐なシーンが多いわけでもなく、科学捜査班よろしく体毛から天狗の正体を追っていくのが主軸になる。同時にアメリカの情勢も関わってきて、全体的には少々切ない雰囲気もある。2001年9月11日の同時多発テロも物語に登場するなど、現在と過去の社会情勢が物語の味付けになっている。

感想は、微妙。というか途中まで読めば天狗の正体が分かるので、その後はどう決着がつくのかを追いかけることになる。一応キチンとしたオチも用意されている。では、大傑作と言えるかというとそうでもなく、意外性もないように思うが、この題材を一応納得できる形で小説にしたのは素晴らしいと思う。文章も読みやすいので、UMA好きでタイトルに興味が沸いたら読んでみて損はないと思う。

ちなみに本作は大藪春彦賞を受賞し、続刊に「KAPPA(河童)」「RYU(竜)」がある……もちろん買って読んだので、また、そのうち感想を書いてみたい。





TENGU【電子書籍】[ 柴田哲孝 ]






posted by 北川商店 at 11:12| ★★★☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする