もともとseesaaブログで始めた「怖い本」ですが、独自ドメイン「http://scarybookplus.com/」に移行しました。最近、スマホの広告がウザいとの共同制作者の移行でこのサイトの更新はストップしていますので、ぜひ本サイトへ遊びに来てください。こちらで更新していた内容も本サイトで更新予定です。

2017年04月04日

お知らせ:助っ人登場の巻

・忙しいので助っ人を頼んだ

・私より本をよく読んでいる

・紹介の形式は同じ。文体は違う。


私の仕事が変わることもあり、これまでの頻度で更新のめどが立たないので、強力な助っ人をスカウトしてきました。

私の親友でペンネームは「成城比丘太郎」です。これからは、タグと最後にレビュアー名を入れます。私は一応「きうら」とします。あと、このサイトの独自ドメインへの移行を手伝ってもらっているWEB関連のプロ「pineray」についても併せて簡単に紹介します。
※以下の画像と紹介文は私、きうらのイメージ(私の作画)です。



【成城比丘太郎(せいじょうびくたろう)】 ライター
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★家の蔵書が少なくとも4000冊以上、歴史からホラー、哲学書まで何でもありの、まさに「書痴」の極みで、私よりイケメン、背が高い、同級生で、信頼のおける人物です。文章は変わるかも知れませんが、3行で紹介する部分は変わりませんので、ご心配なく。読書以外では、競馬やサッカーが好き。嫌いなこと、面倒な人との関り



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【pineray(ぱいんれい)】WEBデザイナー&エンジニア、ライターとしても活動可能
★WEB関係に詳しい頼りになる相棒。小説や映画にも詳しいが、ビジネス書なども読める社会派。イラストもかなり描けるタイプで、デザイン全般は任せたい。アプリの開発中とのこと。好きなものはアイドル含む可愛い人。嫌いなこと(者)、自己中な人間全般



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【きうら(本名は詩集「本当の魔法と魔法瓶(Ama)」に記載)】管理者兼ライター及び雑用

★自称詩人、過去に微妙な小説家で、現在新人賞に応募中。本は純粋な恋愛小説と、純粋な歴史解説書以外は大体読みます。それ以外に過去にくじけた小説は「白鯨」と「純粋理性批判(下)」しかありません! 好きなもの、読書、ゲームとロードバイク。嫌いなこと、子供に「今日の晩御飯は?」としつこく聞かれること


はっきり言ってわが友人は、変人が多いが頼りになります(※個人の感想です)。

とりあえず「コンゴトモヨロシク」お願いいたします。
(きうら)


posted by 北川商店 at 09:11| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シークレットレース(タイラーハミルトン/小学館文庫)



・自転車レースの裏側、ドーピングを語るノンフィクション

・偉大なチャンピオンの転落劇を生中しく語る

・暴露本だが感動する。みんな必死なんだ。

・おススメ度:★★★★☆


自転車レース。今回は、競輪のことではない。ロードバイク(自転車)にのって、世界中を転戦するプロのレーサーの物語だ。自転車の世界にはサッカーのワールドカップのような大きな大会があって、イタリアの「ジロ・デ・イタリア」、フランスの「ツールド・フランス」、スペインの「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の三大大会がある。どれも3週間、一日に平均200km、7時間も走り続けたり、アルプスの山を「自転車で」時速30kmで登ったりする過酷なレースだ。その中でも「ツールド・フランス」が最も有名。日本では残念ながらマイナースポーツだが、愛好者は増えていると思う。ちなみに以前に紹介した「茄子」は「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の映画だ。

この本は、その有名選手だったタイラー・ハミルトンが中心になって書いた本で、要は自転車レースで勝つために、過去7回ツールド・フランスで優勝した(今は剥奪)ランス・アームストロングのドーピングを手伝っていた経緯を詳しく暴露している。ハミルトンは私も好きな選手で、レース中に鎖骨を折ったのに気迫でレースを続けた偉大な選手だ。

このランス・アームストロングは、ツールド・フランスを7勝した過去最高のチャンピオン(だった)で、最高のスポーツ選手として尊敬を一心に集めていた。理由がある。彼は精巣癌にかかり、それを克服して、レースに連勝したのだ。このストーリーに私も感動した。DVDも持っている。でも、である。それが血液ドーピングという不正だと「本人が」告白したのだ。まさに地に落ちた英雄だ。自転車レースは、過去にもドーピングの多いスポーツで、ツールド・フランスには、優勝者がいない年がいっぱいある不名誉な記録が多い。電車に乗って不正をしたという笑えない話も残っている。最近もメカニカルドーピング(自転車にモーターを仕込む)で揺れている。

これは勝つための執念の物語だ。その為のドーピングだ。これは怖い。勝つために手段を択ばない。それが寿命を縮めかねない。それでも勝たないといけない。これは大人の世界の恐怖だ。結果で評価される。当たり前だ。でも不正はいけない。ただ、個人的に勝つために命を削ったハミルトンとアームストロングを憎む気にならない。単純に尊敬はできない。でも侮蔑もしない。彼らは勝つために命を張ったのだ。スポーツマンシップとは別の話だが、まあ、いいではないが。それが人間だ。

この本に大好きなシーンがある。後半だ。タイラーが友人とボロい自転車で走っていると、信号待ちをしていた時、高価なレース用の自転車(数千ドルもする)を乗った二人のライダーが横に止まった。かれらはハミルトンに気が付いた。そしてその彼らのTシャツには「ドーパー(ドーピングをしたやつ)は最低」と書かれていたのだ。ハミルトンは腹が立ってそれを追いかけた。そして、互いに目を合わす。そして、ハミルトンは、その男と握手をしてこう言うのだ。

「やあ、僕は昔ドーパーだった」僕は言った。「だけど、最低じゃない。じゃあ、楽しい走りを」

レースってなんだ? 正義ってなんだ? 不正ってなんだ? ドーピングってなんだ? 割り切れるもんじゃないんだ、大人の世界は。竹原ピストルの歌詞を借りると「必死じゃない大人なんていないのさ」。

自転車競技に興味がなくても、いい一冊だと思う。この本の「恐怖」部分はドーピングの怖さに限られるが、読んで損はしない本だと思う。そして、自転車好きの好きな人が増えてくれたらいいな。ただし、現役ロードレーサーは、交通ルールはちゃんと守って、なるべく車道は走るなよな。危ないし、迷惑だ。ロードレーサーは紳士であるべきだ。私もそうありたい。




シークレット・レース [ タイラー・ハミルトン ]




posted by 北川商店 at 08:27| ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする