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2016年12月11日

ぼっけえ、きょうてえ(岩井志麻子/角川ホラー文庫)



・短編だが、グロテスクでゾッと来る恐怖感

・巧みな岡山弁での語りが魅力的

・表題作以外はいま一つ

おススメ度:★★★★☆


あちこちの書評で「怖いホラー小説」の話題になると、必ず選ばれているのが、この「ぼっけえ、きょうてえ」だ。意味は「凄く怖い」ということらしいが、表題作に関しては、タイトル通りの逸品だ。

怖さにも色々種類があるが、本作、感覚的・視覚的な恐怖やグロテスクな表現でジワジワ追い詰められて、最後にいきなり「気持ち」を突き刺されるようなそんな恐怖を味わえる。この鮮烈さは特筆物で、鋭い刃物で切りつけられるよう。何を書いてもネタバレになるので、まずは一読を。

本作品は色々現代的なアレンジがされているが、骨子は伝統的な怪談話だ。岡山弁での語りが巧みで、作品に飲まれてしまう。ただ、この小説には4篇の短編小説が収録されているが、表題作に比べるとその他3篇は少々劣る印象だ。

どこかで「もうこの本を読みたくないどころか、表紙に触りたくもない」という感想を読んだが、「できれば忘れてしまいたいような怖い話」なんて中々見つからないと思う。ホラーファン必読の一冊。





ぼっけえ、きょうてえ【電子書籍】[ 岩井 志麻子 ]



ラベル:岩井志麻子 怪談
posted by 北川商店 at 13:54| Comment(0) | ★★★★☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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