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2017年01月30日

ザ・スタンド(1) (スティーヴン・キング/文春文庫) 〜あらすじとおススメ度



・強力なインフルエンザの蔓延を描くパンデミック系

・様々な登場人物が入り乱れる群像劇

・全五巻中の一巻。導入は入り込み辛いが、この先は面白い

おススメ度:★★★★☆


強力なインフルエンザ・ウイルス<スーパーフルー>が実験施設から漏洩したことで、アメリカに住む人々が凄まじい勢いで死んでいく。いわゆるパンデミック系の物語が展開する。登場人物は妊娠した女子学生や、突然売れたロックシンガー、貧乏で寡黙な男など、何もなければ彼らなりの人生を送っていたと思われる平凡な人々が多い。原初の発行が1978年なので、近年流行していたアウトブレイク(そしてゾンビ化)する作品の原型のような作品だ。ただしゾンビ化はしないので、その手のゾンビ小説ではない。キング作品でも初期に当たる作品で、今でも人気の高く、前書きで「他の作品を書いても、かならずこの作品のことを聞かれる」というぼやき(?)がある。

正直に言って、それほどキング作品に詳しいわけではないが、素晴らしい出来の小説だと思う。ホラーとしての怖さも十分だ。非常に長い作品で、文庫版だとたっぷり5冊分の分量がある。傑作であること、一冊ごとに大きく展開が変わることを考えて、巻数を追って順番に紹介してみたい。

一巻のあらすじは、作者による作品解説から始める。この作品が追補版であることが記されている。その後、実にじっくりとインフルエンザが人々を蝕んでいく様子が、キング独特の文体で詳細に描写される。「嫌な予感」が確実に現実になる恐怖。家族が、友達が、近所の住人がもし、不治のインフルエンザに感染したらどうなるかが、手抜きなしにたっぷり描かれる。所々にある暴力描写も生々しい。

序盤は主役となる登場人物たちの紹介も兼ねて、物語の視点が次々入れ替わるので非常に読みにくく感じるし、感情移入も難しく思うかも知れない。丁寧にそれぞれの場所で起こっている、それぞれの人生の断片に避けがたい破滅が侵入してくる様子、それを止めようとする人々の葛藤が描ける。のちの「大ボス」も少しだけ出てくる。

一巻だけをとれば、まさに全体のプロローグでこれだけでは全体の評価はできないし、展開は決して早くないので、もどかしく感じるかもしれない。ただ、この先には、この作品でしか味わえないであろう恐怖と悲劇、そししてあえて言えば「感動」が詰まっているので、ぜひ、ゆっくりと読んで欲しい作品だ。一巻では特にシンガーのラリーがお気に入り。逆に妊娠した女学生のフラニーはイマイチ好きになれなかった。

ただのパンデミック物にはない、不気味な「世界の終わり」にぜひ、あなたも浸ってみてほしい。





ザ・スタンド(1)【電子書籍】[ スティーヴン・キング ]







posted by 北川商店 at 09:24| ★★★★☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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