新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
と、普通の挨拶をしておいてなんですが、昨年はサイトを移行したにも関わらず、一定数のアクセスを本ブログにも頂いているようで、大変恐縮かつやや複雑な気分でもあります(笑)。日によっては本ブログより多い日もあります。
過去ログがあるので、それでアクセスが増えている可能性もあるのですが、その
おおつごもりの挨拶は、共同運営者の成城氏からありましたので、新年のあいさつは私が書いている次第です。ちなみに前にも書きましたが、彼は高校の同級生でもうその付き合いは細く長く30年に近づきつつあります。
というところで、挨拶だけで終わろうかと思ったのですが、愛想がないので、私の愛読する漫画「コブラ」の紹介を簡単にして終わります。
「コブラ」というと、シルベスター・スタローンの映画が出てくる場合が有りますが、間違いです。左手にサイコガンを付けた宇宙海賊の方のコブラです。
話せば長くなるのですが、とにかく主人公のコブラは左腕に「精神力の強さによって威力が変化する」というサイコガンという銃を付けていて、これで宇宙の屑どもをなぎ倒すというのがメインストーリーです。もとはジャンプの漫画で、18巻まで発売され、その後、単発で続編が作られたりしています。
作風はアメコミ調でややコミカルでありながら、ストーリー性も高いです。まあ、設定自体はフィリップ・K・ディックから頂いているというか、当時の日本にありがちな日本風翻訳になっていますが、途中からオリジナルティも高くなり、アクションとコミカルさとニヒルな会話がミックスされた唯一無二の漫画となっています。
ちなみに作者の寺沢武一氏はエアーブラシの達人で、表紙などを見るとどうやって書いたのか分からないような美麗なカラーイラストになっています。氏はあの手塚治虫の元アシスタントで、第1巻の紹介文(昔のジャンプは巻末に解説風の文章が載っていた)は、何とその手塚治虫大先生が書いています。曰く、アシスタントとして応募してきて一度は落選したらしいですが、その絵の上手さ(特に女性)が先生の目に留まり、アシスタントになったとか。遠い昔の話ですが、画力で手塚治虫に認められるとは凄い事です。ちなみに日本で初めてコンピューターグラフィックスを漫画に取り入れたのも寺沢武一氏と言われています。
アニメ化もされているのですが、これがまた素晴らしい出来栄え。昨今のアニメでは考えられないほど良く動きます。原作の再現度も高く、特に原作屈指の人気エピソード「ラグボール編」は、アニメ版の方が面白いと言い切ってもいいでしょう。オープニング・エンディングも最高です。声優はあの野沢那智(1938-2010)。一般的にはブルース・ウィリスの吹き替えとして著名ですが、プロ意識の高い声優界の重鎮でした。もうあの声が聴けないのはさみしい限りです。
アメコミの影響を受けていると書きましたが、一応SFです。が、設定はガバガバで銀河の果てまで冒険しているのに、常に地球の出来事の会話(例えばニューヨークヤンキースなど)をしているとか、何語でしゃべっているのか分からないのはご愛敬です。ご愛嬌と言えば、レーザー光線のようなサイコガンのビームが自由自在に曲がるのも物理法則を完全に無視しています。まあ、最後には宇宙戦艦をサイコガン(砲身50センチほど)で吹き飛ばしたりし、反動や熱を考えるとどうなっているか、その辺に細かい理系の人は気が狂いそうになるでしょう。
寺沢武一氏は、その後脳梗塞になったりして、現在は連載はないのですが、最近、復活宣言をしていたので、ひょっとしたら新作も観られるかもしれません。コブラを地で行くニヒルで女好きの方のようで、Twitterなどを見ているとよく美人と一緒に写真を撮られています。
閑話休題。今でもたまに読みますが、無邪気に漫画が面白かった時代の自由なSF活劇が描かれています。あるエピソードではミッキーとジェリーの鼠型宇宙人が爆弾魔という設定で出てきたりして、いまでは絶対に掲載できないでしょう。
という風に、好きな風に文章を書き散らかしているうちにだいぶ文字数が過ぎました。ではでは、今年も良い一年でありますように。ちなみにタイトルのセリフはコブラが宿敵クリスタル・ボーイに言ったセリフです。
(きうら)

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